10年越しの読了。

東京に春一番がやってきた日の夜。
ヲイラはひとつの作品を読了した。
雑誌に連載が開始されてからおよそ10年が経っていた。
春を呼ぶ風の音を聞きながらページをめくり続けた。
めくり続けながら涙した。
読了後、春を呼ぶ風の音に紛れて部屋から嗚咽の声が流れていった。

悲しかった。
さびしかった。
でもとても温かく、美しかった。

きっとこの作品については思うところがある人がたくさんいるだろう。
泣いた人もいるだろう。
怒った人もいるだろう。
呆れた人もいるだろう。
別に何も感じなかった人もいるだろう。
くだらないと思った人もいるだろう。

でも、ヲイラはこの作品に出会えて、涙を流しながらこの作品を読了できて幸せでした。

もしヲイラが永遠の暗闇へ向かうことがあったら枕元にこの本を添えてください。
ヲイラが暗闇の中で暗さや寒さに震えたときこの本を読めるように。
暗闇の中で本は読めないと人は言うでしょう。
けれど、この本から感じた思いはきっとわかるだろうから。思いがあるならきっと読めるから。

そして、この作品を世に出してくれた田中ユタカ先生をはじめ、作品に関わった全ての人に感謝したいと思います。
ありがとう。
ありがとう。

愛人 上―特別愛蔵版 (ジェッツコミックス)

愛人 上―特別愛蔵版 (ジェッツコミックス)

愛人-AI・REN- 下 特別愛蔵版 (ジェッツコミックス)

愛人-AI・REN- 下 特別愛蔵版 (ジェッツコミックス)