みんなでやるから。

飯食った後は時間もあったしまず「まなびストレート!」を見る。
解体工事中の時計塔が謎の爆発を起こして時計塔の下にある生徒会室(コミックス版では生徒会室は時計塔の下にはないんだけどね。ま、こっちの方が話としては都合が良いって事でしょう)が崩壊。やむを得ず今は使われなくなった寮に引っ越しを余儀なくされたまなび達。ある意味「今まで築き上げてきた何もかもが失われてしまった」時点でこの時に「自分たちの思いはみんなにきちんと伝わっていたのだろうか」という事に気がつく。
そう、あの頃の時にはありがちなんだけど「自分の価値観やものの考え方は他人と同じ、あるいは他人も理解してくれる」って考えちゃうんだよね。いい大人になってもそういう人っているけど。人の考え方はや物の見方は十人十色。そこに気がついていればもっと早く何かできたんだろうけどね。
結局またあのみかんちゃんが1人で生徒会役員をやっていた頃に逆戻りしてゼロ、いや、マイナスからのスタートかと思ったら今度は違った。
演劇部の部長を筆頭にかつての生徒会室リフォームに関わったみんなが再結集して新生徒会室のリニューアル。そう、あの旧生徒会室のリフォームの時「みんなが集まって何か一つのことをやる」って事の楽しさを知った生徒達は確かに存在していたんだよね。
それで、あれだけでそれまで3割しか集まらなかった署名が一気に7割を超えるものかぁ?といぶかしげる人もいるかもしれない。でも、「みんなで、みんなの力を集めてそれぞれがそれぞれのやれることを一つの事に向かって作り上げていく」っていう事の楽しさを、この新生徒会室リニューアルで思い出したり、新たに感じた生徒達が少なくなかったんだと思う。それが
「自分たちで、みんなでもう一度この楽しさを味わいたい」
っていうあの作業に参加した生徒達の思いに変わって、それが全生徒の7割の署名を突破するという結果につながったんだと思う。それは決して不自然な事じゃないとお祭り大好きイベント大好きなヲイラは思う。
確かにそういうのは社会に出てから仕事でも出来るんだけどね、仕事ってのは「みんなで集まってやるからこそ生まれてしまう闇の部分」ってのも少なくないんだよね。
愛光学園の理事長が言っていたように「一つのことに向かってただ純粋に、一生懸命になれたり反抗したり、夢中になれる」のは「学生の時だけ」とは言わないけれど数少ないことだと思うんだよね。それも大人になればなるほど。
ちなみに私事で恐縮だけど、前にも日記に書いたかもしれないがヲイラは毎度毎度会社の休みを取ってまでコミケの前日設営に参加している。
端から見ると「コミケ当日で気力も体力も使い果たすのになぜわざわざ体力を削って前日設営に参加するんだこのバカは」と思うかもしれないけれど、コミケ当日では想像もつかない、ただコンクリート打ちっ放しのだだっ広いビッグサイトのホールに机や椅子がやってくる。それを参加したみんなで一緒になって机を並べ、椅子を置いていく。そこには「お祭りをみんなで作り上げていく」という、コミケ当日にはない楽しさがある。「祭りってのは前日が一番楽しい」ってのはよく言われる話だけれど、それだけじゃなくてみんなで力を合わせて一つのことをやり遂げていく。それが楽しい。時にはちょっとしたトラブルもあったりするけれど、それもまた終わってみれば楽しい思い出になる。まさしく「コミケの準備・設営」という一つのことに向かってただ他のみんなと純粋に、一生懸命になれたり、夢中になれる。だからヲイラは設営に参加するんだな。見返り?そりゃあれば嬉しいけど今は見返り目的で参加しているという意識はあまり無いな。やっぱり楽しいから。これに尽きる。
閑話休題。それにしても芽生たんの「良かったら一緒に壁塗らない?」てのは笑った。でも彼女にしてみればあれが精一杯の仲間を作ろうとするアプローチなんだろうな。人の事なんてどうでもよくて、ひたすらマイペースで生きてきた彼女にとっては「自分から仲間作りに手を出す」というのは大きな変化だと思うね。あと、前の日記で「この作品は60年代から〜70年代を学生として過ごしてきた人に見てもらいたい」って書いたけど、しもじーはやっぱり学生運動に参加してた人だったんだね(あれ舞台設定が2035年だから2020年代くらいに60年〜70年代並みの学生運動があったことになりそうなんだけど、どんな学生運動があったんだろ?(笑))。だからまなび達の思いとか自主性とかを重んじることができたんだね。影ながら彼女たちを見守り、学園祭を復活させた、ある意味「真のヒーロー」だと思う。しもじーに拍手を送りたい。
残るは最終回だけど、この作品はufotableが久々に出したヒットだと思う。「名作」の領域に入れても良いかもしれない。まぁ、中には「話としてベタベタ過ぎ」って言う人もいるだろうけれど、これこそ青春ドラマの王道だと思う。重いテーマを背負って果たしてどこまでやっていけるかと始めは懸念してたけど、テーマを自分たちなりにきちんと消化しきった、いい作品だとヲイラは思う。さて、最終回はどうなるのか。心して見ることにします。