ホントにそろそろかな。

日本の会社というのは大概が年度制であって、4月が1年の始まりである。
したがって9月というのは4月から半年経った時期であり、それはすなわち翌月から始まる次の半年に向けて会社組織やら人事やらが大きく動く準備が始まる時期でもある。
うちの会社でもご多分に漏れずどこそこの部署があっちに移っただの、だれそれが部長に昇格しただの課長に昇格しただのと色々情報が飛び交っている。
しかし、うだつの上がらない平社員のヲイラがその辺に関わるとすれば上司が替わるとか所属している部隊の編成が替わるだのといった、まぁ、会社全体からしてみれば些末なレベルの事である。
で、どうも来月からは今やってる仕事のリーダーが替わるようで(まぁ、さらにその上の課長も替わるのだがそれは現時点ではあまり関係ないので置いておく)、今日リーダーが部下(といってもヲイラを含めたった3人だが)を集めてまぁ、言うなれば今後の方針というか所信表明をやった訳で。
で、まぁ、このリーダーは一応肩書きはSEなんだけど典型的な「そろばん勘定優先主義」の人で、「技術屋指向」のヲイラとは見事にそりが合わないであろう事が既に今日の会合で判明してしまった。
おまけに性格上の問題なのだろうが、彼は「俺はもう忙しくて忙しくて大変なんだよホントにもう」というのがある種のプライドというか優越感として身体のあちこちから漂ってくる人で(まぁ、現実に忙しいんだろうけれど)、これがまたヲイラ自身の過去とだぶり、そしてそれが要因の一つとなって仮ニート生活まで送ることになり、「もう忙しかろうがなんだろうがヲイラはヲイラのペースでやらせてもらう」ことにした決意を見事なくらいに挫けさせるような、これまたヲイラが考えている今後の会社での生き方と見事に合致しないタイプの人間なのである。
でまぁ、上にも書いた通り今日の初顔合わせでは今後の仕事の予定とかも話が出た訳だがとにかく「人が足りない」の一辺倒で、この部署にいたら間違いなく慢性的な人手不足でまたあの悪夢を繰り返すのは火を見るよりも明らかだ。
もうこれからは自分のやりたいことを自分のペースでやらせてもらおうと思っていた矢先にこれである。このままここにいればどうなるかはヲイラ自身が身に染みて解っている。
会合を終えて自席に戻りつつ、やはりそろそろそういう時期かな、というヲイラの思いがますます強くなったのは言うまでもない。
自分の思いを貫くことが出来るか、そして仮に思いが叶ったとしてもそれが丁と出るか半と出るかはわからないが、少なくともこの部署でいつ再び迫り来るやも知れぬ悪夢の影におびえながら仕事を続けていくよりは遥かにマシだと思った。少なくとも自分で選んだ道だから。
それでもだめならいよいよかもしれない。この歳では道はかなり狭き門だし、そもそもヲイラ自身には人を惹き付けるような「何か」も持ち合わせてはいないのだが、それでも捨てる神あれば拾う神あり、ダメ元でチャレンジしてみれば道は見えてくるかもしれない。
とりあえずは明後日両親と会った時にその辺を話してみるつもりではある。
父親は「なんだかんだ言っても会社に居た方が良い」とは言っているし、ヲイラ自身も可能ならばその方がいいとは思うが、それもヲイラ自身の思いが通じたらの話。
まぁ、今は心身の状態からして何をどうしてもだめなのは明らかなので年が明けてからその辺をもう一度考えるとして、まずは自分が通りたい道を今のうちに見つけ、そして見据えておこうと思う。
ヲイラのこれからはそこから始まる。