今日の昼飯。

自宅の近くに十数人も入れば満員になってしまうような小さな中華料理店がある。
営業もお昼時と夜の数時間しかやってない。当然出前もやってない。
ある日突如小さなビルの1階に開店してからそろそろ1年くらい経過したかと思うが、その前を通りがかると開店当初はともかく自宅周辺にはこうした外食のできる店がないこともあってかほどなく客が集まり始め、今では近くに同じ中華系ファミリーレストランであるバーミヤンが開店し、週末や休日ともなると順番待ちの客が連なる状況を尻目に相変わらず連日繁盛しているようである。
ヲイラは自宅近くにこの店があり、連日繁盛している風景を何度と無く目にしながらも「パチンコ屋の客(自宅の近くにはパチンコ/パチスロ屋がある)が近くにエサ食うところが少ないないからここに来てるだけの話じゃねーのか?」と今まで一度も店内を訪れたことがなかったのだが、夜の部にもなると時には順番待ちの客がいたりするのを見て「これはひょっとするとひょっとするのかもしれないなぁ」と思うようになり、今日ちょうど洗濯が終わって買い物に出かけた時、店内をのぞくとたまたまカウンターの一席が空いていたので物は試しとばかりに入ってみた訳である。
席に着き、お冷やを出してくれた店員にヲイラは五目炒飯を注文した。やはり中華料理の基本は炒飯であり、炒飯のうまい店は他の料理もうまいものだと思っているからである(「美味しんぼ」の読み過ぎです>ヲイラ)。
程なく五目炒飯がヲイラの目の前に運ばれてきた。その前にも数人の客のオーダーが入っていたにもかかわらず素早い仕事であるとまず感心した。
そして、その五目炒飯であるが、いかにもご飯が脂っこくなくほどよくパラパラとばらけていることをアピールするかのごとく炒飯の山の一部が崩れており、これが料理人が意図して盛りつけているのだとすればこの店の料理人はなかなかの仕事人であるなと心の中でニヤリとした。
さて、肝心の味の方であるが、見た目は良いものの、脂っこさを感じさせることも少なくない炒飯であるが、ここの店は盛りつけの通り脂っこさを感じさせることもなく、またご飯も適度にパラパラとばらけており、味の方も付け合わせのスープも含め凡百の中華料理店にありがちな化学調味料の味が素材の味を殺すこともなく、炒飯の主役であるご飯の味をもかみしめることのできる出来映えになっており、なるほどこれならば連日繁盛するのもうなずけるものだと納得した。
量的にも始めは「これじゃちょっと少ないんじゃないかな?」と思ったものの、炒飯とスープ(このスープも香り付けがしてあって単なる付け合わせではないだけの仕事がしてあるのがまた良い印象である)を平らげ、店員が再び注いでくれたお冷やを一気に飲み干して店を出た頃には胃の方もほどよく収まっており、量的にもなかなか満足度の高い出来であった。
あえて難点を挙げるとすれば、玉子の量が少ないので見栄え的に地味なのと一応エビは添えられてはいるものの「ホントに五目炒飯なの?」とちと疑わざるを得ない程に具が目立たない点と、店は小さくとも本格的な中華料理店のため、どうしても値段がはる(780円)点であろうか。この店で一番安い献立は500円のラーメンであるので再び店を訪れる時はラーメンを注文してみようと思い、店を後にした。うむ、満足満足。
(本当は晩飯はここのラーメンにしようと思い、再び店を訪れたのだが既に満席だったので諦めて近くコンビニへ足を向けたのはここだけの秘密である(苦笑))